![pt900パライバトルマリンリング](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=576x10000:format=jpg/path/s9d1065b430f524e3/image/i271b813369084aa9/version/1377436405/pt900%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0.jpg)
今年、オーダー頂いたパライバトルマリンのリングです。
実際には半丸上のカボッションカットになっており、
側面から観ても、綺麗に見えるよう意識して、
石を留める爪も工夫しています。
ジュエリーの中でも、
リングのデザイン制作は特に難しいとされています。
それは、ほとんどのジュエリーが平面的な表現なのに対し、
リングは立体として作る必要があるからです。
私の師匠でもある父は、
このリング作りについて。
「自分の感覚を磨け」と言って、
詳しくそのデザイン制作の方法を教えてくれたことはありません。
いえ、教えられないのでした。
それは直感的なものを含んでいたから。
横で、その作り方を観ていても、
法則性が見えてこないのです。
何故?と長い間思っていたのですが、
それが父の磨き上げた感覚そのものだから。
誰も。
真似は出来ないのです。
それを知って、
私は父の真似をするを止めました。
でも面白いものです。
その瞬間から何となく、
父の感覚に近いものが分かるようになったのです。
勿論そっくりそのままではありませんが、
勘所は見えてきたのです。
このリングジュエリーは、
明らかにその父の感覚も生かして作られています。
お客様のご要望の、
アンティーク調でオリジナリティーが感じられるもの
というテーマ。
それが閉じられていたドアのキーを開けたのです。
まさに時空を超えて父の感覚的ジュエリーが、
息子の手で新しく蘇ったのでした。
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